子育て中の息抜きって、現役ママにはかなり重要な課題ですよね。
我が家では最近、キッズモードがある有料チャンネルにいくつか登録しました。慌ただしい一日が終わり、子どもが寝ついてからホッと一息。ママの息抜きタイムがやってきます。破れた子どものズボンを縫いながら、若い頃にどハマりしていたSEX AND THE CITY(以下SATC)をなんとなく見直してみました。
めくるめく恋愛模様とキラキラした世界観。華やかなファッションに、独身時代はトキめいたものです。
その時はもちろん、自分の結婚や出産の事など考えてもいませんでした。出産するキャラクターがいても「ふ~ん」という感じで、さらっと流していたのですが…
SATCを子どもを持ってから改めて見てみると?
シーズン6のEpisode9「女の特権、シューズマジック」に出てくるキラというキャラクターがいます。
主人公キャリーの古くからの友人で、3人の子どもを育てる主婦。そのキラのホームパーティーで、キャリーはマノロブラニクの靴を無くしてしまうけれど、スニーカーを貸されて追い返されてしまいます。弁償を迫っても「靴にそんな金額を出すなんて、どうかしてるんじゃない?」とキラは全く悪びれる様子がありません。
ここで、ちょっと今の自分にチクリときたことが。キラが頻繁に口にする「子ども・子育て」というワードです。
独身の友人たちが夜を楽しんでいる時間に、私はお風呂や寝かしつけに追われていて家族とべったり。せっかく誘ってくれても、つい「子どもが」という断り方をしています。
日常を細かく説明して、いろんな理由を並べるのはうっとおしいかな?なんて思いつつ、結局一言「子どもが」と言ってしまう。キラと全く一緒なことに気づきました。
子どもを理由に断るって、アリ?
でも、彼女たちが誘ってくれたのは「私」なんです。
子育てに追われていると“子どもがいてもいなくても私”という感覚が薄くなっていくような気がしませんか?「子どもが」という断り方をするのって、なんだか主体性がなくて誠実じゃなかったな…と、胸がチクチクしました。
もちろん子どもがいるから無理なのは当たり前で、事実だけれど「誘ってくれてありがとう、でも私その日は都合が悪いんだ。」という言い方をしてみるだけで、だいぶ印象が変わったんじゃないかなと思います。
相手から「なんで?」と聞かれたら「実は子どもが……」と説明するっていう方法も一つの手。なぜなら私自身も、若いうちに子どもを持った友達にそう断られた時「あなたの意思はどうなの?」と思ったことがあるから。
子持ちの身勝手さがフューチャーされたエピソードは他人事じゃない!
その後もマノロの靴を取り返そうと必死なキャリーに、キラは「そんなバカ高い靴、子どもがいる本物の人生を歩んでいる私には必要ない」と一刀両断します。
え?子どもを産んで普通の家庭を築くことが本物なの?じゃあシングルを謳歌する人生は偽物?雷に打たれたようなショックでした。
もちろんドラマですから、誇張して嫌なキャラクターに仕上げてるというのはわかるけれど…私は家庭や子どもを持たない事を、本物の人生じゃないなんて思ってはいません。でも、“子どもを自分の人生の主人公”のようにして、周りに振舞っていた事はあるはず。
独身と既婚の温度差を改めて考え直してみる
ドラマですから「独身VS主婦」の構図が派手にできあがってしまっていたけれど、何が本物の人生か?なんて誰にも決められません。
キャリーは「この度、自分は自分と結婚します、お祝いはマノロブラニクの靴で……」と、キラに連絡します。
今までさんざんお祝いをもらっていたキラは、何も言えずにマノロのショップに行き、スタッフに大騒ぎする子どもを連れている事で嫌味を言われます。キラが描く本物の人生の中には、マノロで嫌味を言われることは含まれていなかったんじゃないでしょうか?
キラと同じく子持ちの私。
相手が独身女性に限らず、対世間という状況では「子どもが」を理由にせず、私の人生を生きて、その中で子どもを愛して育てることを誇りにしたい。と思いました。
キャリーは都会という荒波をひとりで楽しく歩いていくために、マノロの靴が必要だと言います。そして、私が私を生きるためには、子どもという存在が必要。
子どもと過ごした時間の中で、たくさんのことを教えてもらいました。新しいマノロの靴を履いてキャリーが水たまりを軽快に飛び越えるところで、このエピソードは終わります。キラを通して、子持ち女性の“世間の見えていなさ”に、打ちのめされたエピソードでした。
自分だって昔は独身で、子どももいなかった。青春時代を彩ってくれた、SATCがアラフォーになった自分にまた気づきと輝きをくれた気がします。
私たちはみんな本物の人生を歩んでいる
ステージが違っても、道が違っても、優先順位は違っても、それぞれみんな本物の人生を必死で歩んでいます。SATCを見直してキラキラした世界が懐かしくなった切なさも、私の人生の一部です。
そういえば私は、出産前はコスメオタクでした。産後はつい「子どもが」と自分に対しても言い訳をして、好きを後回しにしていました。そろそろ子どもも5才になり、そこまで手もかからなくなりました。ノーメイクでいる言い訳に「子どもが」を使うのも、そろそろやめる時です。
明日はキラキラしたコスメをひっぱり出して、グロスだけでも、口紅だけでも、何かひとつ色を重ねてみようかな?
私の本物の人生を、またちょっとだけキラキラさせるために。
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