こんにちは。沖縄県在住の映画&音楽ライター石川尚彦です。僕は沖縄県を題材にした、本や映画をテーマに書いていきます!よろしくお願いします!
今回ご紹介する沖縄の文化や歴史を学べるアイテムはこちら。
本『沖縄文化論』映画『岡本太郎の沖縄』
岡本太郎というと「太陽の塔」「芸術は爆発だ!」というイメージをお持ちではないでしょうか?
そんな岡本太郎、沖縄がまだ外国だった頃に沖縄を訪問していました。沖縄の文化を芸術家の眼で直視し、沖縄を論じた『沖縄文化論』を書き記しています。
沖縄を旅するなかで、岡本太郎が出会った「沖縄文化」については、葛山喜久監督によるドキュメンタリー映画『岡本太郎の沖縄』で擬似体験することができるので、そちらも合わせてご覧ください。
岡本太郎が沖縄で何を見て、何を見なかったのか。
岡本太郎の『沖縄文化論』で記された旅程を映画の中で辿ることにより、沖縄全島、そして久高島のイザイホーに至るまで岡本太郎が見たものを辿る。この映画は『沖縄文化論』の再確認作業のような作りになっています。
抑制された映像スタイルで展開される映画は、派手さはなく、一定の間延びした空気感を漂わせながら沖縄の景観を映す映像に、どこかヨーロッパ映画のニュアンスを感じました。
淡々と、そして唐突に終わるラストは、観る側へ「沖縄の現状」への問いかけが含まれているのではないか?と、そう心に残る映画です。
『沖縄文化論』では、柳田国男の「山の人生」と題された文章の引用から始まっています。
岡本太郎は、戦前にパリ留学で民族学を学んでいます。その学んだ知識があってか「怒りと穏やかさが内包している」と沖縄を表現し、沖縄文化「紅型」は肯定的「壺屋焼き」は否定的に表現し、本当の沖縄の文化は御嶽にこそ表現されていると記しています。
そして、イザイホーを見た岡本太郎は、その宗教的儀式に衝撃を受けました。
沖縄に来る数年前に、東北でなまはげや花巻の鹿踊を体験していたために、日本の最北と最南で、岡本太郎にとっての“日本の本質”を感じたようです。そして、この最北と最南での経験が、岡本太郎にとって後に「太陽の塔」に影響を及ぼすことになりました。
おじぃ、おばぁが見てきた沖縄だけでなく、時には外から来た者の視点から、沖縄を覗いてみませんか?ちょっと難しい内容かもしれませんが、ぜひ1度、岡本太郎が見た視点から沖縄の文化に触れる体験をしてみてはいかがでしょうか。
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