元児童相談所、学童保育所の職員で、現在は1児のパパでもある、ライターの堀本です。
これまで多くの保護者、子どもたちと接してきて思うのは、親のささいな一言が子どもにとって大きな意味を持つこと。それこそ10年先まで、その一言を覚えている子どももいます。
そこで今回は、子どものやる気を育てる「自尊心の高い子になれる魔法の言葉」をご紹介します。反対に、「やる気を失わせる悪魔の言葉」もまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね。
日本人の親は、子どもの能力を低く見積もりがち
まず、知っておいてもらいたいのが、親の言葉の重みです。
世界的にも日本人はとても謙虚で、自分の評価を低く見積もる傾向にあると言われています。しかし、謙虚なことは美徳ですが、その評価基準を“子どもにも押しつけてしまう”のは危険です。
「勉強しなさい」
「Aくんはできるのに」
「本当にできるの?」
このような強要や否定、不信の言葉は、子どもの心に深く残ります。親は忘れてしまったとしても、子どもはその一言を、言われたときの状況と合わせて一生覚えていることもあるのです。
例えば、会社に置きかえて考えてみてください。
上司から毎日のように「仕事ができない」「Aの方ができる」「お前に任せて大丈夫か?」と言われたらどのような気持ちになりますか?大人であっても傷つきますし、やる気を失いますよね。
大人でも子どもでも同じこと。親から毎日のように強要や否定、不信の言葉をかけられれば、「ママ(パパ)は信じてくれないんだ…」と子どものやる気は失われてしまいます。
親の信じる気持ちがが子どものやる気を育てる
では、どうすれば子どもの自尊心を高めて、やる気を育てられるのかというと。
「よく頑張ったね」
「あなたならできる」
「挑戦してみようよ!」
このように受容や信頼が伝わる、“褒め言葉”をかけてあげるだけです。
子どもはまだ未熟で、その言動に根拠がないことも多くあります。親として不安な気持ちになるのも当然ですが、それでも「信じてるから応援するよ!」と信じてみる気持ちが大切です。
子どもは親に信じてもらえれば、それだけで自信を持てます。自信があればやる気も出てきますし、信じてくれる親のために頑張ろうと、いつも以上に力を発揮できるものなのです。
子どもにかける言葉は短い方が伝わりやすい
中学生を対象に「親に言われて嬉しかった言葉」を調査すると、以下の結果になりました。
1位:大好きだよ(愛してるよ)
2位:ありがとう
3位:そうなんだ?
4位:やったね!
5位:すごいね!
6位:頑張ったね
7位:どんまい!
8位:できるよ!
9位:楽しもうよ
10位:いい経験だね
ここでポイントとなるのが、どれもが「短い言葉」ということです。
長々とした話には様々な内容が含まれるものの、ひとつひとつは薄れてしまい記憶にはあまり残りません。対して、短い言葉は心に響きやすく、記憶にも残りやすいです。
これは褒めるときだけでなく、叱るときにも有効な考え方。
30分も1時間も説教をするよりも、「~したらダメ!」「~は危険だよ!」と短い言葉で伝えた方が子どもには伝わりやすいです。とくに年齢層の低い子どもほど、短い言葉が伝わります。
まとめ
言葉のかけ方ひとつで、子どものやる気を失わせたり、やる気を育てることにも繋がります。まずは、親が子どもを信頼して「信じてるよ」「応援してるよ」と伝えてあげましょう。
もちろん、明らかに誤ったことをしたときは「ダメ!」と叱るのも親の役目です。ただ、「勉強しなさい」や「Aくんはできるのに」のような、強要や否定の言葉は叱るのとは違います。
何と言葉をかければ伝わるのか、子どもの将来につながるのか、ぜひ一度考えてみてください
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