沖縄の絵本

読書の秋。子どもに読み聞かせてあげたい、沖縄の絵本2選

DATE - 2019.10.8
CATEGORY - 沖縄の文化・自然
WRITER - 石川尚彦

こんにちは。沖縄県在住の映画&音楽ライター石川尚彦です。ryukyuでは、沖縄県を題材にした、本や映画を紹介しています。

沖縄も10月に入り、だんだんと涼しくなってきました。これからの季節は心地よい風が吹き、もっと過ごしやすくなることでしょう。沖縄の方言では、夏のことを「カーチー」と呼び、秋は「リッスー」と呼びます。

秋の夜長には「読書の秋」と言うことで、今回は秋に相応しい絵本を2冊、ご紹介したいと思います。

ふなひき太良(たらあ)

沖縄の絵本「ふなひき太良」

1冊目は、儀間比呂志さんにの『ふなひき太良(たらあ)』です。

全国学校図書館協議会の“よい絵本選定”に選ばれ、第25回毎日出版文化賞を受賞された絵本。内容を一言で言うと「沖縄版桃太郎」です。ちょっと語弊がある表現かもしれませんが…笑

沖縄のとある村に飢饉が起き、村の人たちは食べるものがなく困っていた頃、向こうの丘に赤ちゃんが捨てられていました。可哀想に思った村のお爺さんは、その赤ちゃんを連れて帰ることにして『太良』と名付けました。

大人に成長した太良は働きもせず、いつも寝てばかり生活をおくっています。当時、村の役人は厳しく、納めることが難しい年貢を村人に要求していました。そんな役人に、いつもゴロゴロしていた太良が立ち向かう…

というお話です。

いつも寝ていた太良が、いざという時に秘めた力を発揮する展開。周囲の人から怠け者と思われていた太良ですが、この力を発揮したところ村人の太良を見る目が変わります。

読んだあなたは、太良をどんなキャラクターだと感じるでしょうか?

ふなひき太良(たらあ)
作・絵/儀間比呂志

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赤牛モウサー

2冊目も同じく儀間比呂志さんの『赤牛モウサー』です。

描かれている内容を紹介すると…

村の若者『マチヤー』は山で出会ったお年寄りの言葉をきき、意地悪な金持ちの旦那に捨てられた、年老いた牛を助けます。その牛はしゃべる赤牛で、名前を『モウサー』といいました。

マチヤーがモウサーを助けた後、モウサーは闘牛として大活躍をします。意地悪な金持ち旦那の黒牛とモウサーが闘い、見事に逆襲を果たす。

というお話です。

このお話は、もともと沖縄の民話として伝わった話を、儀間比呂志さんが1991年に絵本化したもの。

沖縄はかつて闘牛が盛んでした。現在もうるま市で定期的に行なわれているので、1度はぜひ親子で観に行ってみてください。スペインの闘牛は人と牛との闘いですが、沖縄の場合は牛と牛が大迫力で戦います。

赤牛モウサー
作・絵/儀間比呂志

→amazonでの購入はこちら「赤牛モウサー」

2冊とも子どもの成長を後押しする内容です。秋の休日には、お母さんからお子さまへ読み聞かせてあげてみてください。

今回は秋に似合う絵本のご紹介でした!ではまた!

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ライター写真・石川尚彦
映画・音楽ライター
石川尚彦
1982年生まれ。美術と演劇の知見がある、映画&音楽ライター。那覇在住
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