勝連城跡

魅力が詰まった、沖縄の世界遺産「グスク」

DATE - 2020.4.30
CATEGORY - 沖縄の文化・自然
WRITER - ryukyu writers

2000年にユネスコの世界文化遺産に認定された沖縄の「グスクおよび関連遺産群」は、沖縄の代表的な観光地としても人気のスポット。グスクとは、沖縄の12世紀~14世紀を指す「グスク時代」の遺跡のことで、その地域の支配者(按司)の城がグスクです。

沖縄には本土、離島を含め約300のグスクが点在し、琉球の歴史において需要な役割を果たしました。世界遺産に登録されたのは、首里城などを含む代表的なグスク5箇所と、パワースポットとしても有名な斎場御嶽などの4箇所です。そんなグスクの中でも特にスケールが大きく、美しい景観を誇るのが、勝連城址と今帰仁城址です。

大パノラマを望む絶景グスク「勝連城址」

勝連城跡

うるま市、勝連半島にある勝連城址は、標高100mの丘陵地にあることから、南部に中城湾、東部に海中道路を望む絶景が魅力のグスクです。

そんな勝連城址は年間約17万人の観光客が訪れる、沖縄屈指の観光スポット。11,897㎡の広大な敷地内には、沖縄の城址「グスク」特有の神が宿るとされる6つ「御嶽」も現存しています。

勝連城址の特徴の一つは、梯郭式と呼ばれる城の様式を用いた、階段状に4つのエリアに上部の断崖側に殿舎を備えた城の形状です。また、各エリアを囲む、珊瑚質石灰岩で作られた石垣と、緩く湾曲した石畳の小道も印象的。

最大の魅力は何と言っても頂上からの360度広がる大パノラマです。沖縄の美しい広がる海の絶景、空まで伸びるようなグスク「勝連城址」の佇まいはまさに天空の城です。

グスクで最も古い歴史を誇る勝連城址は、12世紀~13世紀に建てられたものと推測されています。勝連の歴代の按司が住んでいたとされる勝連城址。勝連の最盛期を迎え、沖縄の歴史的な重要人物とされる10代目城主「阿麻和利」が、15世紀に最後の城主として居を構えていたことでも有名です。

長い歴史を辿るために、現在も発掘作業が続けられています。そして、現在までには、武器や陶器などが様々な貴重な出土品が発見され、中国との交易関係や歴史的背景など、勝連の歴史が少しずつ解明されています。

勝連城跡

沖縄県うるま市勝連南風原3908

全長1,5kmの城壁と、沖縄最大級の敷地を誇るグスク「今帰仁城址」

今帰仁城址

沖縄本島の北部、本部半島の今帰仁村にあるグスク「今帰仁城址」は、南北350m、東西800mにも広がる約4ヘクタールの広大な敷地面積を誇る世界遺産グスクの一つ。人気の観光スポット美ら海水族館からもほど近くにあることから、その絶景と荘厳な遺跡を見物に多くの観光客が訪れる沖縄屈指の観光地です。

毎年1月中旬から2月初旬にかけて、寒緋桜が開花の時期を迎え、日本で最も早い桜の開花を楽しめる場所としても有名。この時期には桜祭りが開催され、ライトアップされたグスクと夜桜の情緒あふれる風景も堪能できます。

「北山」「中山」「南山」の三大勢力に分かれていた琉球の三山時代に、北部を制していたのが北山でした。北山の王が居所として14世紀に築城された今帰仁城址は、別名「北山城」とも呼ばれており、北山王国の最後の王である攀安知が住んでいた城としても有名です。全長約1,5kmの湾曲の城壁、丘陵地に8つの郭で仕切られた史跡「今帰仁城址」は、その当時の北山の威力を感じさせます。

その全貌は解明されていない点も多く、現在も敷地内では発掘作業が続けられています。日本の城100選にも選ばれた今帰仁城址は、その歴史的価値と眺望の美しさも魅力の一つです。敷地内の最も高い場所となる、標高100mの高台からの東シナ海を望む眺望は必見の価値があります。

今帰仁城跡

沖縄県国頭郡今帰仁村今泊5101

五感が研ぎ澄まされるパワースポット

勝連城址や今帰仁城址以外のグスクにおいても、それぞれの歴史的背景やその造りや沖縄の風情を感じることができるのが、このグスクの魅力です。季節毎の祭事やイベントなども開催されているので、時間や時期を検討して訪れてみることをお勧めします。

神々が宿る「御嶽」は、琉球のエネルギーが漲るパワースポット。絶景を堪能しながら、琉球の歴史、そしてパワーを感じながら、五感を研ぎ澄ますことができる格別な世界遺産がグスクです。

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