沖縄県名護市では、ひとり親家庭に対する充実した支援制度が整っています。児童扶養手当や医療費助成制度など、ひとり親家庭で経済的に苦しい家庭に対して行政が生活の支援を行ってくれます。また、日常生活においてもサポートしてくれる事業があるので、そちらもあわせて把握していくと良いでしょう。
名護市では、地域が一体となって子育てをするという考え方が整っているところに魅力があります。その具体的な内容について確認していきます。
ひとり親家庭への児童扶養手当
名護市では、ひとり親家庭の生活の安定と児童の福祉増進を図ることを目的として、児童扶養手当の制度を確立しています。父母が離婚した児童や父または母が亡くなった児童、父または母が政令で定める程度の障害の状態にある児童など、名護市が指定する条件に合致する児童を養育している方は児童扶養手当を受給することができます。
また、児童を扶養するひとり親は日本国内に在住していることも受給条件。手続きに必要な書類は、以下のものが挙げられます。
1.申請者と対象児童の戸籍謄本(離婚の場合は離婚日の記載のあるもの)
2.申請者の年金手帳
3.申請者と児童の健康保険証
4.申請者名義の預金通帳
5.印鑑
6.所得証明書(1月1日現在名護市に住所がない場合)
所得制限もありますが、手当が全額支給されると児童1人につき月額42,910円の手当を受けることができます。児童2人の場合は月額53,050円、児童が3人以上の場合は1人につきさらに6,080円加算されることに。(例えば、児童が3人だった場合は月額59,130円が支給)
上記の金額は所得制限にかからずに全額支給される場合です。前年の所得によっては一部支給となることもあります。一部支給の場合、児童1人の時は月額10,120円〜42,900円の間で支給額が変わっていきます。児童の数が増えた場合も、所得に応じて支給額に変化が出てくることを頭に入れておきましょう。
所得制限に関しては、扶養親族の数に応じて変わってくる部分も。扶養親族の数が増えれば増えるほど、所得制限の限度額も上がる仕組みとなっています。その一例について、以下の表にまとめてみました。
祖父母をはじめとして、扶養している親族がいる場合は、その分所得制限も緩やかになっていくので申請することがおすすめです。実際に児童扶養手当を受給できることになった場合、奇数月の11日に2か月分の金額がまとめて振り込まれます。
ひとり親家庭への医療費助成制度
名護市では、ひとり親家庭への医療費助成制度も実施。対象としては、母子家庭の母と児童、父子家庭の父と児童、養育者が養育する児童などです。
また、以下の人たちは医療費助成を受けることができません。
1.生活保護を受けている人
2.里親に委託されている人
3.重度心身障害者医療費助成事業の対象となる人
4.乳幼児医療費助成事業の対象となる人
5公費負担医療費の対象となる人
6.交通事故等による第三者からの賠償として医療費を受けられる人
対象となる児童は、18歳に達した日以後の最初の3月末までの期間です。また、児童扶養手当と同様に医療費助成制度に関しても所得制限が設けられていますので、詳しい金額については名護市子育て支援課窓口に問い合わせをしてください。
実際に助成される医療費は、病院で支払った自己負担分から1,000円を除いた金額です。(例えば、病院窓口で5,000円を支払った場合、4,000円の医療費を受けとることが可能)病院で受診を終えたら領収書を受け取るようにしましょう。
その後、名護市役所子育て支援課窓口で申請を行います。申請に関しては病院で受け取った領収書を窓口に提出して、申請書に記入すれば問題ありません。その他、申請に必要なものをご紹介します。
・領収書
・保険証
・受給者証
・印鑑
児童扶養手当も医療費助成制度もひとり親家庭の経済的な負担を緩和するための制度です。詳しいことは沖縄県名護市役所こども家庭部子育て支援課に尋ねて、積極的に制度を活用していきましょう。
ひとり親家庭等日常生活支援事業
沖縄県名護市では、ひとり親家庭等日常生活支援事業と呼ばれる事業も行っています。これはひとり親家庭が、一時的に生活の援助や保育サービスが必要になった時に受けられるサービスのことです。
具体的には名護市に登録している支援員(ヘルパー)が、ひとり親家庭の自宅を訪問して児童のお世話をしてくれます。親として自立するために資格を取得したり、病気になって育児が難しくなったりした場合に、ひとり親家庭等日常生活支援事業のサービスを受けることができます。
このサービスを受けるためには、事前に登録を行っておく必要があります。名護市役所こども家庭部子育て支援課の窓口で申請を行うことで、困った時にサポートしてもらうことができます。子どもは1人で育てるのではなく地域全体で育てるという考え方を持つことで、親としても楽な気持ちになることができるでしょう。
まとめ
沖縄県名護市では、ひとり親家庭をサポートするためのさまざまな制度が確立されています。現代社会では何らかの事情でひとり親家庭になってしまうことも珍しくなく、子育てに行き詰まってしまうことも少なくありません。
経済的な事情や病気、その他の事情で満足に子育てができないということは社会全体での課題です。そうした課題に向き合っているのが名護市の制度。児童扶養手当や医療費助成制度を積極的に活用してみると良いでしょう。
地域全体で子育てをするという考え方を持って、ひとり親の方も自分だけで悩まずに行政を頼ってみることがおすすめです。
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