こんにちは。沖縄県在住の映画&音楽ライター石川尚彦です。沖縄県を題材にした、本や映画を紹介しているこちらのコーナー。
本日は、夏休みに読みたい2冊の絵本をご紹介します。酷暑が続く沖縄、絵本を通して、少しだけ涼しさを届けられたら幸いです。
沖縄にまつわる、不思議な霊…?
8月の沖縄の恒例行事、旧盆。旧盆にまつわる不思議な霊について紹介します。
2019年、今年は8月13日〜15日にかけてが旧盆です。(今日からですね)ご先祖様の霊に対して、敬い感謝するのが旧盆の儀式。ですが、その霊のなかに「餓鬼(ガキ)」「チガリムシ」と呼ばれる悪霊が一緒について来てしまうらしいのです。
なので、お供え物には「ミンヌク」を用意しているんですね。
【ミンヌク】
ウージの切れ端や、野菜の切れ端をボウルに入れたもの。ご先祖様と一緒に来てしまった「餓鬼(ガキ)」「チガリムシ」が持ち帰るために用意しているそう。
チムドンドンおきなわ
チガリムシになんとなくネーミングが似ている絵本『チムドンドンおきなわ』は2017年の沖縄県産本の大賞の優秀賞を受賞した県産本。
沖縄を旅しながら、多様な価値観を獲得していくという絵本の内容で、沖縄の様々な場所や景観を豊かな色彩で表現されています。母親に読み聞かせられた子どもの目には、雄大な絵本の世界が広がる一冊です。
チムドンドンおきなわ
作/かいはたみち・あさとめぐみ
絵/sava
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ポヤップとリーナ 沖縄へいく
もう一冊は『ポヤップとリーナ 沖縄へいく』。はねずみのポヤップと、りすのリーナが沖縄で大冒険を繰り広げるという内容の絵本。海の生き物やジャングルの植物、浜辺の花、沖縄の名所がちりばめられて描かれています。
美味しそうな沖縄料理も出てきて、子どもたちが沖縄料理への興味を持つきっかけになりそうです。大人も子どもも一緒に読んで「沖縄ガイド本」として、家族みんなで楽しめます。
ポヤップとリーナ 沖縄へいく
作・絵/たちもとみつこ
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子どもへ絵本を読み聞かせることはとても大切なことですし、僕の母親も、僕が幼いときにはたくさん読み聞かせをしてくれました。今回紹介した2冊の絵本『チムドンドンおきなわ』と『ポヤップとリーナ 沖縄へいく』は、ぜひ小さいお子様がいるお母さんたちに読み聞かせをしてほしいです。
もちろん、パパが読み聞かせをしても◎。ryukryuライターの堀本さんがパパの読み聞かせの効果について、記事を書いてくれているのでそちらも合わせて読んでみてください。
堀本一徳さんの記事はこちら→「パパの読み聞かせが子どもに与える2つの利点」
沖縄県立博物館・美術館で開催中の「スタジオジブリ展」でジブリアニメの名作の原画やポスターなど見ながら、「トトロって沖縄のキジムナーとシーサーを足したような存在じゃないかな〜」と展覧会の帰路に頭の中で想像していました。
展示の帰り道で、たくさんの想像を巡らせるのは、幼いときの母の読み聞かせが影響しているかもしれない…と大人になった今やっと感じました。
絵本の読み聞かせを経験した子どもたちは、想像性に富んで成長することでしょう。そうした想像性が養われたら、もしかしたら沖縄で言い伝えられている「キジムナー」や「チガリムシ」を見ることができるかもしれませんね。