沖縄の夏の風物詩と言われているサガリバナ。実際に咲いている姿を見たことはありますか?
「見たことがない」という方のほうが多いと思います。でもそれは、ある意味正解。サガリバナは、日が沈んだ時から夜が明けるまでにしか、花開いている美しい姿を見せてくれません。そのため、日中生活をしている人々の目に触れることが少ないのです。
では、どんな時期、何時頃に見に行くと、サガリバナの短い開花に出会えることができるのでしょうか。
一夜限りの儚い花
沖縄では、梅雨が始まり夏へと一歩ずつ進んでいく季節の中、たくさんの花が咲きはじめ、見る人を魅了してくれます。その中でも、一夜しかその美しい姿を見ることができない珍しい花が「サガリバナ」です。
日が沈んでいくなか、徐々に花びらを開き、暗闇の中で甘いバニラのような香りを放ち、幻想的な空間を楽しませてくれます。サガリバナの花びらの色は、白やピンク。名前同様「下がる花」で、枝から垂れ下がり、まるでぶどうの房のように咲きます。朝日が昇り始めるとひとつひとつ花が散り、短い生涯を終えるとても儚い花なのです。
ベストな時間は朝5時
サガリバナが咲き始めるのは日が沈んでから。なので、昼間に咲いているサガリバナを見ることはほとんど不可能です。日が沈んでから咲き始めるサガリバナを見るには、夜が明ける朝の5時ころが狙い目。
真夜中に咲いているサガリバナを見るのも綺麗ですが、明け方に見に行くと散り行くサガリバナを見ることができます。サガリバナの木を昼間に観察し、白い玉のようなお花がついていると、高確率でその日の夜から朝にかけてサガリバナが花を咲かせます。
西表島などでは、散ったサガリバナが川の水面いっぱいを埋め尽くし、サガリバナの絨毯のような景色を見れることも。サガリバナは、散った後でも楽しませてくれる花。少し早起きをして、朝の散歩やツアーなどで見に行くのがおすすめです。
サガリバナは熱帯植物のため、日本国内だと奄美地方と沖縄地方で見ることができます。自然に生えているサガリバナを見るには、温暖な気候の奄美か沖縄まで足を運ばなくてはいけません。
沖縄地方で、もっともサガリバナを見るのに適している場所は西表島。大自然に覆われている西表島では、分布している場所も広く、多くのサガリバナを見ることが可能です。カヌーでサガリバナを見に行くツアーも、水面に広がるいっぱいのサガリバナを見ることができると人気を集めています。
那覇でも見ることができるサガリバナ
西表島へいかなくとも、沖縄本島でもサガリバナを見ることができます。那覇市内でも、モノレール「旭橋駅」付近や、沖縄県庁前にあるパレットくもじ、首里城付近でもサガリバナを見ることができます。朝早く目が冷めてしまった時などに、お散歩ついでに見に行ってみてくださいね。
サガリバナは一夜しか美しい姿を見ることができない、とても儚く美しい希少な花。梅雨から初夏にかけてと開花期間も短く、自然に咲いているサガリバナを見るには奄美地方や沖縄地方まで足を運ばないと見ることができません。
「幸運が訪れる」という花言葉をもつサガリバナ、ぜひ早起きをして見に行ってみてはいかがでしょうか?
子どもたちの心に、沖縄の文化として根づいてくれたら嬉しいです。
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